肝臓病治療薬

@肝臓病にもいろいろあり治療法も違う。食事療法、日常生活のすごし方が大切。効果的な薬ははとんどない。

Aウイルス性肝炎は種類も多く、急性期と慢性期では治療薬が違う.インターフェロンの登場で治療成績が少し向上。
ウイルス肝炎
タイプ 感染経路 特徴
経口 井戸水や貝類、とくにカキ生食が原因。潜伏期間は1か月
非経口 血液を介する。世界中で2億人以上のキャリアがいる。キャリアの大多数は病気の症状は出ない。
非経口 血液を介するものが多い。日本でのキャリアは1%くらい(推定)
非経口 Bタイプのウイルスに寄生して増殖するので、単独では発生しない。血液を介するものが主
経口 食物や飲料水が原乱。あまり研究が進んでおらず、インド、ネパールで多い


B劇症肝炎は単に肝廣の病気と考えず、全身の主要臓器の機能に強く影響を及ばすものと考えて、lCUなどで管理し、肝臓によいあらゆる治療法を用いる。

C肝硬変を改善する薬はないがタンバク質の合成能力を高めることにより肝機能の低下を少しでも遅らせる薬はある。

D食道静脈瘤には硬化療法薬、肝性脳症にはラクツロース、特殊組成アミノ酵製剤を使うE 薬が原因の肝障害の場合、原因となる薬をやめれば回復するが、原因となる薬の特定が難しいケースが多いので、服用中の薬を全部やめてしまうことがある。

F脂肪肝やアルコール性肝障害は原因となるものを取り除けば治るが、アルコール性肝炎は放っておくと肝硬変にまで進行する。

G肝臓病の治療に漢方薬が使われることが多いが、インターフェロンと小柴胡湯の併用による副作用も報告されており、専門的な治療が必要。

肝臓の病気に用いられる漢方薬
漢方薬 虚実 用いられる肝疾患名 患者のタイプ
茵チン蒿湯 黄疸、肝硬変、急性肝炎の発熱時 尿量が少なく.便秘がち
小柴胡湯 肝機能障害 右肋骨弓下の圧痛
大柴胡湯 胆石・脂肪肝 便秘が強い
柴胡桂枝湯 胆石・肝機能障害 神経質、両側腹直筋が張る
柴苓湯 慢性肝炎の急性憎悪時、アルコール性肝炎 悪心、食欲不振、尿量が少ない
補中益気湯 肝硬変、高齢者の慢性肝炎 疲労倦怠が強い
十全大補湯 肝硬変・肝がん 貧血がある


HB型肝炎予防にはワクチン、グロブリンなどが使われているが、それぞれ使い方がある。

Iインターフェロンを使うときには保険適用上の取り扱い基準がある。それを理解して使わないと、保険で支払ってもらえないこともある。
初級薬理学
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