胆道・膵臓系治療薬

@黄疸、発熱、痛みがあれば胆道系の病気が疑われる。

A胆石に対しては手術、体外衝撃波結石破砕法、薬物療法の3つの手段があるが、薬物療法が有効な人は5人に1人くらいである。
薬物療法の適用条件としては,
(a)コレステロール系の結石
(b)小さい石(直径1.5cm以下)
(c)症状が軽度
(d)胆嚢内に存在

B胆石溶解薬は2種類あるが、効果に差はない。下痢などの副作用がよくみられる。
 ウルソ(ウルソデスオキシコール酸)とレガレン(ケノデオキシコール酸)で、投与量はともに10mg/kgとされていますが、600mg/日の投与が多い。

C胆道の炎症に使う抗生物質は適切な選択が大切。胆道への移行性のよい抗生物質を使用する。

D胆汁の分乳、排泄を増加させるために使う薬を利胆薬とよぶ。実際には単独で使われることはなく、他の胆道系治療薬と併用される。

E自分自身の膵液が自らの膵臓を消化するために生じる膵炎は、急激な痛みや悪心、発熱を伴ったり、重症時にはショック状態になることもある。

F急性期には抗生物質、H2受容体拮抗薬、タンパク分解酵素阻害薬、鎮痛薬、消化酵素薬なとが投与される。慢性期は食事凄法を中心に経口タンパク分解酵素阻害薬(フォイパン)を便う。

G注射薬のタンパク分解酵素阻害薬使用に際してはショックなとに対する注意が必要。



痔の治療薬

@生活を改善する努力なくして薬物療法は成功しない。とくにアルコール、便通に気を遣うこと。

A坐薬や軟膏が第一選択薬として用いられるが1〜2週間の使用で改善がみられる。

痔の種類と特徴
  疾患名 成因 症状
いぼ痔 痔核 肛門付近の静脈が集まったところの血液の流れが悪くなり、血液がたまり腫瘤ができる。これがこぶのように盛り上がった状態のもの。 痛み、出血多い
切れ痔 裂肛 肛門の上皮に傷ができたもの。この部分はほかよりも皮膚が薄く、硬い便などで裂けてしまうことが多い。 排便困暮、排便後の痛み
あな痔 痔瘻 肛門のくぼみの部分に下痢便などで傷がつくと、大腸菌が侵入し炎症を生じさせる。さらに症状が悪化すると、化膿してそれが皮膚を破り外に出るようになるとあなができる。 肛門周辺の腫れ、灼熱感、痛み、発熱、悪心


B薬物療法を実施しても繰り返すタイプには、外科的処置を行う。

C坐薬が患部に「止まるか」どうかを気にする人も増えている。

初級薬理学
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