消化性潰瘍治療薬の続き

C攻撃因子を抑制するには酸分泌を抑制するか、醸を中和すればよい。酸分泌を抑制するには5つの方法がある。
(A)抗コリン作用
アセチルコリン受容体を刺激しなければよい。この神経を支配してる副交感神経の働きを抑える。コランチル。
(B)ムスカリン受容体拮抗作用
アセチルコリンという化学伝達物質が胃の壁細胞にあるムスカリン受容体(M1受容体)を刺激する。
これを拮抗する。ガスとロゼピン。
(C)抗ガストリン作用
ガストリン受容体は胃液分泌を促進,。セクレパン
(D)H受容体拮抗作用
△H受容体:気管や腸管の平滑筋収縮作用・血管平滑筋拡張作用
△H受容体:胃や腸管の分泌亢進作用・心拍数増加
△H受容体:神経伝達物質(シナプス前線維に存在)
(E)プロトンポンプ阻害作用
プロトンポンプ阻害薬は、胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬である。PPI(Proton pump inhibitor)と略される。胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤には他にH2ブロッカーがあるが、プロトンポンプ阻害薬はH2ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持つ。

D高齢者には防御因子増強薬が適しているが、胃酸分泌抑制のためにはムスカリン受容体拮抗薬かH2受容体拮抗薬の減量投与も考慮する。

E抗不安粟も消化性潰瘍治療薬として用いられる、

F消化性潰瘍の最大のポイントは再発予防にある。薬物療法の大切さを患者に認識させないと再発しやすくなる。

Gヘリコバクター・ピロリという細菌は潰瘍と大いに関係があり、この菌を抑えるのも大切な治療法。とくに再発予防には無視できない。
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌):胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍などと深い関係にあると考えられている菌。強酸性の胃の中でほかのほとんどの細菌は死滅してしまう中、まわりをアルカリ性にして酸を中和しながら生き続けている。このピロリ菌が出す毒素によって胃の粘膜が刺激され、炎症を起こして潰瘍をつくると言われている


健胃薬・消化薬,制酸薬・制吐薬
@胃の薬といってもいろいろな作用のものがある。たとえばSM散は健胃薬、消化薬、
制酸薬の3つの作用をもつ薬が組み合わされたものである。

A制醒薬にも作用の長さ,強さなどで違いがある。長期服用の際には副作用に注意。

B近代的な健胃薬で胃腸機能を調節するのはプリンベラン、セレキノン、ナウゼリンの3つ。

C消化管機能促進薬は副交感神経を興奮させて作用を発揮し、逆に鎮痙薬として消化管機能を抑制する薬は副交感神経を抑制する。

D制吐薬のエース誕生.抗がん薬作用時に発生する悪心に5HT3受容体拮抗薬。
ステロイドとの併用で制吐効果は増強。
グラニセトロン(カイトリル)オンダセトロン(ゾフラン)アザセトロン(セトローン)
ステロイドとの併用の例:抗がん剤の点滴の約 2時間前に、カイトリルを2mg を内服し、次いで点滴の15〜30分前に、デカドロン20mg を静脈注射する。





初級薬理学
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