身体障害者になって の続き。

---国立リハビリセンター病院にての続き---

 3月末にスポーツ訓練のリハビリ担当教官より職場復帰に向けて、
自動車訓練を受けるように勧めらた。
身体障害者になって車の運転はあきらめていたし、できるとは思わなかった。
 どこに勤めるにせよ移動手段に車は必要であった。

 広い国立リハビリセンターの敷地には自動車教習所と同じコースがある。
まずは適性訓練から始まって学科試験。
27年以上前の18歳に戻ったような気持ちであった。                 

 オートマチック車でハンドルに回旋ノブがついた車両でコースを走る。
                        《写真の赤矢印の先》→→
身体障害者なって始めての運転、緊張しましたヨ。恐る恐るの運転。

 右の脳に梗塞がある為、左側の感覚が少しオカシクなっている。
例えば、左側のポールにピッタリと車を止められないとか
左側の空間を空け過ぎるなど。本人の自覚は全く無し。
医学用語では左側半側性無視というそうな。
そういえば車椅子を左側の物にぶつかる患者さんもいましたなぁ〜〜。

 社会復帰にむけての外出訓練も始まる。
これは、町中を歩いたり、電車に乗ったり、スーパーマーケットで買物をするだけである。
 病院の中から一歩出るとバリアだらけということを改めて、痛切に身をもって実感する。
身体障害者にとって現実は厳しいものである。
 昔できたことが今できないというのは精神的にモノ凄く落ち込む。うつ状態になります。
現実を受け入れることができない。涙、涙、涙、涙。
 
 毎日の訓練、理学療法(PT訓練〉、作業療法(OT訓練)だけだったのが、
スポーツ訓練と自動車訓練と外出訓練が加わり、お忙しいモードとなった。
これに風呂と洗濯が入って、毎日がアッという間に過ぎていく。
麻痺が残っているが、身体が段々と元に戻って行く。

 四月に入り主治医より「そろそろ退院を考えて下さい」と。
でも、元の職場に戻れるどうか、身体障害者を受け入れてくれるかどうか、
全くの闇…全くの闇……。 
漠然とした経済的な不安が頭を擡げてくる。
親からの援助もあったが、一家の主、働かないと。


 身体障害者が家庭内での日常生活を過ごしやすくし、  階段の手すり→
また安全に動き回れるために、家屋の改造が必要となった。

 我が家は三角形の土地に建っているため、玄関に行くのも階段。
トイレ、浴室に行くにも階段。階段に手すりを付けるのは必至。
作業療法士、看護婦のアドバイスを受ける。      

 転倒防止のためトイレ、浴室にも手すりがつくことに。
知り合いの大工と相談して退院前につけることになった。    

家全体がリハビリ?(爆)(爆)(爆)(爆)    お風呂の様子→

       シャワーチェアーと湯船に滑り止めマット。       
          入浴はある程度、緊張を伴います。(笑)(笑)

余談;看護婦さんが「こんな家始めてみた」と。
ウザイ!

 

      


『続く