細胞内液と 細胞外液 |
*細胞内にある液を細胞内液という・・・細胞内液にはカリウムが多い。 *細胞のまわりにある液を細胞外液という・・・細胞外液にはナトリウムが多い。 *血液は細胞外液の一種である・・・血液にはナトリウムが多い。生きた細胞はナトリウムを外に汲み出している。 |
浸透圧 | *浸透圧を理解することは生理学理解の基礎である。 *濃度の異なった2種類の液体を隣り合わせに置くと、お互いに同じ濃度になろうとする。この同じ濃度になろうとする力を浸透圧という *浸透圧の強さは水中に存在する粒子の数に比例する・・・粒子にはブドウ糖のような分子もあればNaやKのようなイオンもある *小さな粒子だけが通れる程度の小さな穴のあいた膜を半透膜という・・・半透膜は蛋白質以外のものを通す膜である。水.NaCl.ブドウ糖などは粒子が小さいので半透膜を自由に通過できる。蛋白質だけがずば抜けて粒子が大きいので,半透膜を通過できない。 *細胞膜は半透膜である・・・細胞内液と細胞外液とは細胞膜という半透膜を隔てて存在している。 *血管壁も半透膜である・・・血液と細胞外液は血管壁という半透膜を隔てて存在している。 |
モル濃度と 浸透圧 |
*どんな分子でも1モル(1M)なら、その分子の数は同じである・・・NaCl58gを1モルという。 *NaCl58gを1gの水に溶かしたものが1モル濃度である・・・1モルの物質を1gの水に溶かしたものが1モル濃度である。モル濃度を1Mと書く。1Mの1000分の1が1mM,さらにその1000分の1が1μMである。 *浸透圧は水中に存在する粒子の数に比例する・・・浸透圧にはミリオスモル(mOsm/kgH20)という単位を用いる。ブドウ糖は1mMが1mOsm/kgH20である。NaClは水中ではNa+とCl−とに分かれるので1mMが2ミリオスモルである *血液の浸透圧は約280mOsm/kgH20(ミリオスモル)である・・・浸透圧280mOsm/kgH20の溶液を等張液という。0.9%のNaCl溶液や5%のブドウ糖液は等張液である *0.9%NaCl溶液のことを生理的食塩水という・・・この濃度が血液と等張なので,これを生理的食塩水という。 *浸透圧が280mOsm/kgH20より高い液を高張液という *浸透圧が280mOsm/kgH20より低い液を低張液という。 |
膠質浸透圧 | *半透膜は蛋白質を通さない・・・蛋白質濃度の異なった2種の液体を半透膜を隔てて置くと、同じ濃度の方向に水分子が半透膜を移動する。 *蛋白質には水を引きつける力がある。 *蛋白質が水を引きつける力をとくに膠質浸透圧という・・・膠質とは蛋白質のことである。つまり蛋白質によって生じた浸透圧のことを膠質浸透圧という。 *実際の膠質浸透圧を生みだしている蛋白質は血清アルブミンである。 *血清アルブミンの量が低下すると浮腫が生じる。 |
酸塩基平衡 | *酸はH+(水素イオン)を出すもの、塩基とはOH- 出すものである。 *H+の量を0から14までの数で表わしたのがイオン濃度(pH)。 *血液のpHは7.4である・・・血液はつまり弱アルカリ性である *血液のpHが7.4より低いときをアシドーシスという。 *血液のpHが7.4より高いときをアルカローシスついう。・・・体内での酸の総量が増えるかアルカリの総量が減ればアシドーシスになる。CO2は炭酸と同じものである。血液のpHは呼吸と非常に深い関係にある。 *嘔吐が続くとアルカローシスになる・・・尿がでないとアシドーシスになる。 |
脱水 | *体液異常には体液量の異常と浸透圧の異常とがある・・・体液量の異常と浸透圧の異常はしばしば混在する。体液量が減少したものを脱水という。 *飲水不足や大量の発汗などがあると脱水になる・・・体力が落ちたり意識障害があっても脱水になる。小児は脱水になりやすい。 *体液量の減少パターンには、細胞外液と細胞内液の両者が減少したものと、細胞外液の減少が主なものとがある・・・細胞外液が減少すると血圧が下がる。細胞内液が減少すると口渇感が出現する。 *脱水の治療は必要に応じた水分と塩分の補給つまり輸液である・・・細胞外液の減少に対しては生理食塩水を投与する(リンゲル)。細胞内液の減少に対しては低張の維持輸液製剤を投与する(ソリタT3)。糖液の補給は単純に水だけを与えているのと同じこと。 |
バッファー | バッファーとはpHを一定に保つ液のことである・・・血液でのバッファー役は主に炭酸が行なっている。 |