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免疫
自己と非自己 *自分自身の細胞や組織を自己という・・・自己に対し、自己以外のすべてを非自己という。
*免疫とは自己と非自己を認識し、そして非自己を排除することである・・・免疫では相手が自己なのか非自己なのかを常に認識しながら攻撃している。
*免疫は出生後から特に発達し思春期に完成する・・・胎児期に侵入した敵は非自己と認識できない。子供の時に何が自己で何が非自己かを学習する。
*免疫反応を引き起こすものを抗原という・・・非自己イコール抗原である。体内に本来存在するもの以外はほとんどすべてが抗原となりうる。
*抗体は血漿中に存在する蛋白質である。
*免疫は細胞によるものと抗体によるものとの協同作用である・・・液性免疫の主役はBリンパ球、細胞性免疫の主役はTリンパ球である。
細胞性免疫 *免疫を行なう細胞には、好中球、マクロファージ、リンパ球などがある。
*好中球は細菌を食べるのが仕事である・・・好中球は血管のすきまをくぐりぬけて細菌のいる場所へ進んでいく。
*マクロファージは細菌はおろか細胞も食べる・・・病気になった細胞や老化した細胞などもマクロファージが食べている。マクロファージは組織の中(血管の外)に住んでいる。
*リンパ球は特殊な道場で修業を積んで、免疫の専門家となる・・・胸腺で修業を積んだリンパ球をTリンパ球という。Tリンパ球は免疫にかかわる細胞たちを活性化したり抑制したりする。あるリンパ球は修業を積みBリンパ球になる。Bリンパ球は抗体を産生するのが仕事である。多数のリンパ球がリンパ節や牌臓などに住んでいる。リンパ球同士の情報交換はホルモンで行なっている。TまたはBに分けられないリンパ球も存在する。
液性免疫 *ある抗原が入るとそれに対する抗体を作る・・・抗体は抗原と結合することにより相手をやっつける。1つ1つの抗原に対しそれに対応する抗体を1つ1つ作っている。1つの抗体は1つの抗原に対してのみ効果がある。感作は2回目の方が免疫反応は大きい。ワクチンは病原菌の抗原を含んでいる。抗体自体を注射することもある(破傷風トキソイド)。補体は抗体の助手である。
*抗体の量を抗体価という・・・抗体価は診断に役にたつ。抗体価の測定には赤血球や補体の作用を利用する。
*免疫の過剰反応をアレルギーという・・・激しいアレルギー反応で死亡することもある。自己を非自己として認識してしまう病気を自己免疫疾患といい、膠原病がその代表である。