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筋収縮の
   しくみ
*骨格筋は筋線維が束になったものである・・・骨格筋線維には横紋が見える。横紋が滑り込んで筋収縮がおこる。
*筋に力が入っても短くなるとは限らない・・・筋に力が入ることを収縮という。
*筋収縮のエネルギーはATPである・・・筋肉ではクレアチンという形でエネルギーが貯蔵されている。クレアチンはクレアチニンというものに変えられて捨てられる。筋収縮に伴い熱が発生する。
*骨格筋線維には白と赤とがある・・・白筋線維は強い力が出るが疲れやすい、白筋繚椎には解糖系酵素が多く酸素を使わずにATPを作っている。赤筋線維は瞬発力はないが疲れにくい、酸化的酵素(クエン酸回路)が多く酸素を使ってATPを作っている。ヒトの筋肉のほとんどは白筋線維と赤筋線維とが混合したものである。
*筋収縮を続けると乳酸が蓄積してくる・・・乳酸は筋疲労の原因物質である。死亡後には筋硬直がおこる。硬直の程度から死亡時間を推定できる。
骨格筋 *骨格筋は骨を動かす・・・骨格筋は腱で骨につき、骨と骨をつないでいる。骨格筋は随意筋で横紋筋である。
*骨格筋には拮抗筋が存在する・・・ー方の筋が収縮すると拮抗筋はその分だけ弛緩する。拮抗筋とのバランスは無意識に正確にとられている。上肢では屈筋が強く、下肢では伸筋が強い。腹筋と背筋とでは背筋の方が強い。
*骨格筋の収縮の程度は筋紡錐で感じとる・・・筋肉へは知覚神経も通じている。骨格筋を一瞬引き伸ばすと収縮がおこる。腱反射はどの筋でもおこる。中枢神経の異常では腱反射が亢進することが多い、腱反射は簡単にできる神経筋の検査法である。
*筋肉は使わないと萎縮する・・・飢餓時にも筋肉の強い萎縮がおこる。運動神経の障害でも筋肉の萎縮がおこる。筋肉自体の病気でも筋肉の萎縮がおこる、進行性筋ジストロフィーという疾患がその代表である。