ニューロン | *神経の細胞をニューロンという・・・ニューロンは細胞体、樹状突起、軸索からなる。ニューロンは情報の入り口と出口が決まっている。軸索のことを神経線経という。 *ニューロンは興奮する・・・ニューロンには興奮と静止の2つの状態しかなく、両者の中間はありえない。興奮はすばやくおこる。興奮には電気が関与している。興奮はまず細胞体で生じ、そして軸索に伝わっていく。 *興奮したニューロンは軸索末端から伝達物質を出す・・・伝達物質の種類はニューロンによって決まっている。伝達物質を出すことにより情報を次の細胞に伝える。ニューロンの接続部位をシナプスという。シナプスは一方通行である。 *ニューロンは回路網を形成している。 |
末梢神経 | *末梢神経系は体の組織と中枢神経系とを結ぶ電線である・・・ヒトの神経系は中枢神緯系(脳と脊髄)と末梢神経系とに分けられる。末梢神経は神経線雑の束である。神経には行きの繊維と帰りの繊維とがある。切れた線雑はうまくすればつなぐことができる。 *末梢神経には3種類ある・・・知覚を伝える神経と、骨格筋を動かす神経と、内臓を動かす神経である。 *感覚を伝える神経を知覚神経という。 *知覚神経の軸索と樹状突起を知覚線経という。 *骨格筋を動かす神経を運動神経という・・・運動神経は中枢神経からの情報(命令)を骨格筋に伝える。運動神経の軸索を運動線経という。坐骨神経は運動線経と知覚線経とを含んでいる。知覚神経と運動神経を体性神経という。 *内臓に命令を送っている神経を自律神経という・・・自律神経には途中に1か所電線の中継点がある。 |
自律神経 の種類 |
*自律神経の命令には意識的なものはない。 *自律神経には交感神経と副交感神経とがある・・・交感神経は体を活発化する。副交感神経は体を安静化する。 *生体は交感神経と副交感神経とのバランスの上に立っている・・・交感神経が非常に活発になっても、また副交感神経が抑制されても、ともに交感神経が亢進した状態となる。 *胸腹部の内臓を支配している副交感神経は迷走神経である・・・交感神経は動脈壁を伝わって目的の臓器へ到達する。自律神経線雑は細い。自律神経は途中で1回ニューロンを代える。 *交感神経から放出される伝達物質はノルアドレナリンである・・・副交感神経から放出される伝達物質はアセチルコリンである。 |
自律神経 の機能 |
*自律神経の主な組織に対する効果・・・交感神経が興奮すると瞳孔の散大がおこる。交感神経が興奮すると気管支は拡張する。交感神経が興奮すると胃液の分泌抑制がおこる。交感神経が興奮すると心拍数の増加がおこる。交感神経が興奮すると血管の収縮がおこる。交感神経が興奮すると副腎髄質からのアドレナリンの分泌が亢進する。交感神経が興奮すると汗の分泌が亢進する。 *交感神経は消化器にだけは抑制的に、他には促進的にはたらく・・・消化器の平滑筋は副交感神経により収縮する。交感神経により血管の平滑筋は収縮し気管支の平滑筋は弛緩する。 *交感神経は攻撃的な状態を作り上げる。 |
中枢神経系 の性質 |
*中枢神経系とは脳と脊髄のことである・・・ヒトの神経系は中枢神経系と末梢神経系とに分けられる。 *脳と脊髄は同じものである・・・基本的には脳と脊髄は内腔をもった1本の棒である。棒の頂点が非常に発達して膨らんだものが大脳である。内腔が膨らんだものが脳室である。 *脳の発育はニューロンの樹状突起や軸索の成長による・・・脳が発育してもニューロンの数は増えない。成長にともない突起がのびシナプスが増える。 *脳と脊髄は髄液に浸っている・・・髄液は透明な液体である。髄液は脳室で作られ、小さな通路を通って外側に流れる。髄液圧は側臥位で約10cmH20である。 *中枢神経系はとてもデリケートである・・・中枢神経は再生しない。中枢神経は大食漢である、心臓から抽出される血液の約20%が中枢神経に流れ、脳への血流が途絶えると数秒で意識を失ってしまい、数分でニューロンは死んでしまう。血液と脳との間には関門がある。 |
中枢神経系 の構造 |
*中枢神経系では「判断」を行なっている。 *脳幹こは生命維持に必要な中枢がある・・・中脳、橋、延髄を脳幹という。延髄には呼吸中枢や循環系の中枢などがある。 *視床下部には自律神経の中枢がある・・・視床下部はホルモン分泌の最高中枢でもある。視床は知覚の中継点である。 *小脳は運動の統率を行なっている。 |
大脳 | *ヒトは大脳皮質がよく発達している・・・大脳皮質は新皮質と古・旧皮質とに分けられる。人間が人間らしくふるまえるのは大脳の新皮質のおかげである。 *大脳皮質には機能の局在がある・・・大脳皮質運動野は運動の最高中枢である。運動野にも体の部位による局在がある。大脳皮質知覚野は知覚の最高中枢である。大脳皮質には何種類かの言語中枢がある。大脳基部には基底核がある。 *大脳基底核は運動制御と関係がある。 |
脊髄、伝導路 | *脳からは12対の神経が出ている・・・脳から出ている神経を脳神経という。脊髄からは多数の神経が出ている。 *脊髄と脊椎とは位置がズレている・・・成長にともない脊髄と脊椎の位置のズレが生じる。髄液の採取は腰椎部で行なう。 *脊髄は前が出口、後が入口である・・・知覚線経は脊髄の後方から入る、これを後根という。運動線雑は脊髄の前方から出ていく、これを前根という。 *運動の指令や知覚が伝わっていく通路は決まっている・・・同じ目的の繊維が密集している通路を伝導路という。ほとんどの伝導路は中枢神経内で左右が交叉する。運動の指令を伝える伝導路を錐体路という。錐体路以外に錐体外路というものがある。 |
反射 | *求心路→中枢神経→遠心路の反応を反射という・・・バプロフの犬は条件反射の代表である。 *睡眠は最も効果的な安静である・・・睡眠中は随意機能は消失し代謝は減少する。ノンレムとレムの2種類の睡眠がある。レム睡眠時には目が動いている。子供の方が睡眠時間が長い。 *脳の活動電位を記録したものを脳波という・・・脳波には周期的な波がある。てんかんなどでは特徴的な脳波が出現する。 *脳死と植物人間とは違う・・・脳死とは脳幹部と大脳の全機能が完全に廃絶した状態である。植物人間とは大脳皮質の機能が低下した状態である。 |