身体障害者になって の続き。

---国立リハビリセンター病院にて---

 病院に到着し車いすに乗せられ脳血管障害対象の3Fに向かった。
野村病院と違って、天井が高く部屋が広く、明るい感じがした。

 朝起きるなりパジャマからジャージに着替え、まるで体操の時間のようである。
1カ月ぶりに入浴をしました。うれしかったです。それにしても垢が出ること出ること。
看護婦さん付き添い看視で、車椅子に乗ってトイレに行け、用をたせるようになった。
これだけでも進歩である。公衆電話で我が家に電話することも可能になった。
毎日、家に電話するものであるから妻には五月蝿がられた。
 車椅子への移動、結構難しいものである。1週間位で看護婦さんの看視がなくなった。
病院での移動は車椅子で行なえるようになった。

 大便は相変わらず出ない。とうとう肛門に指を入れられ大便をかき出された。
うー、まあ、初めての経験。脳梗塞になると大便のコントロールが悪くなるそうだ。
直腸にガスを発生させるレシカルボン座薬を使うようになり、どうにかこうにか排便が可能となった
 
 入院している部屋は4人もしくは2人部屋でカーテンで仕切ってあった。
カーテンを開け閉めするときに役立ったのが右上のマジックハンド。今でも現役で活躍中。
意外と便利。おもちゃ屋さんで1,000円也。

 テレビは自分で持ってくれば100円入れて見ることもなく勝手に見られる。
夜9時消灯なので私にとっては必要もなかった。

 リハビリは理学療法と作業療法の二つ。理学療法は足、作業療法は手を動かせる訓練。
 理学療法が始まると麻痺側の足に装着する右下のプラスチック製の装具を作った。
ブラブラする足を固定するもので添え木みたいなもんです。
リハビリを始めると歩けるようになるんですよ。
日一日と歩く距離とスピードが延びるのを実感する。
立小便ができた時は感激した!男でなければの感激。
入院してTヶ月で車椅子の生活が終わりとなり、自力歩行が可能となる。
但し、屋内だけ。

 毎日の生活に張りとリズムが出てきた。
 病棟にはお風呂場とに洗濯場が設置されいて、週3回入浴が可能であった。
片麻痺でもイザッテ入浴できるようにマットが ひかれてた。

 作業療法、動かない左手の回復訓練を始めて2週間位で左手が若干動くようになって
きた。以前のようには動かない。あくまでも右手の補助だ。
 右手しか使えない。右手だけ酷使するので腱鞘炎、左右の太さも違ってきた。

 入院して2ヶ月目になるとスポーツ訓練が始まる。身体障害者の筋トレ。タイヤ引き、
ろくぼく体操、足首に錘を着けての歩行。学生時代もこんなハードなことしたことがない。
カロリー制限されて運動してれば痩せるわな。入院時84kg、退院時は69kgまで落ちたわ。

 入院していると仕事をしないのであるから当然ながら給料が入らない。
経済的なことが気になってくる。子供は高校3年と1年、家のローンもあるし、、、



『続く