初級薬理学

抗不整脈薬

@心電図と不整脈は切っても切れない関係。基本的な心電図の理解がまず大切.。

心電図波形

★P波は心房興奮     ★QRS波は心室興奮
★ST部は心室興奮極期   ★T波は心室興奮の消退
★PR間隔は房室伝導時間  ★QRS間隔は心室興奮時間
★QT間隔は電気的心室収縮時間
  PからQRSにかけては心房の収縮を表し.、心房から心室へ血液を送り込む過程。 QRSからT波にかけては心室の収縮を表し、「左室から大動脈へ」と「右室から肺動脈へ」血液を送り込む過程。TからPにかけては心室の拡張で、心房から心室へ内圧の差によって血液が流れ込む部分の動き。

A不整脈といっても必ず薬が使われるわけではない。治療の必要がないものと治療を必要とするものとがある

B不整脈の治療に使われる薬は主に8つに分類される。刺激発生や伝導、心筋収縮に対し抑制的に働いて脈を正常化させる。

Cそれぞれの不整脈に対して使う薬の順番がある。作用の強いものは副作用も多いので、新薬は他の薬が無効なときにしか使用できない。


不整脈はなぜ起こるのか

(A)心魔のリズムをつくる洞結節がつくり出すインパルスの発生が,、速くなったり遅くなったりする。
(B)洞結節以外のところかちインパルスを出してしる。
(C)伝達の状態が異常なっている(寄り道、ぐるぐる旋回など)

不整脈の分類と主な病名
1)期外収縮:瞬間的に脈が飛ぶ、脈が抜ける、瞬間的にドキッとするなどの症状を呈するもの
2)徐脈:脈が遅く、頭がボーっとする、目の前が暗くなる、失神するなどの症状を呈するもの。
3)頻脈:脈が速くなり、どきどきが続く、頻脈の結果血圧が低下の場合は失神する、頻脈時短時間胸が痛くなるなどの症状。
1)から3)まで心臓での起きる場所により下の表の様な病名がついている。

不整脈の分類 不整脈の部位 病名
期外収縮 心房 心房性期外収縮
心室 心室性期外収縮
徐脈性不整脈 心房 洞不全症候群
心房-心室 房室ブロック
頻脈性不整脈 心房 心房頻拍
心房粗細動
心房-心室 発作性上室性頻脈
(WPW症候群を含む)
心室 心室頻拍
心室細動



Vaughan Williams 分類
一般名 商品名 経口投与 経静脈投与
Class 1A(Naチャンネル抑制、活動電位持続時間延長)上室性および心室性不整脈
プロカインアミド アミサリン 30〜50mg/kg分3〜4 2〜20mg/kg
キニジン キニジン 30mg/kg分4〜6 -
ジソピラマイド リスモダン 5〜10mg/kg分3〜4 1〜3mg/kg
シベンゾリン シベノール 6〜9mg/kg分3 1.4mg/kg
Class 1B(Naチャンネル抑制、活動電位持続時間短縮)心室性不整脈
リドカイン キシロカイン - 1mg/kg
(1.0mg/kg/時)
メキシレチン メキシチール 5〜10mg/kg分2〜4 2mg/kg
(0.5mg/kg/時)
ジフェニルヒダントイン アレビアチン 3〜5mg/kg分2〜3 1〜2mg/kg
アプリンジン アスペノン・アプシオン 3〜5mg/kg分2〜3 1.5〜2mg/kg
Class 1C(Naチャンネル抑制、活動電位持続時間不変)上室性および心室性不整脈
フレカイニド タンボコール 2〜4mg/kg分2 1〜2mg/kg
ピルジカイニド サンリズム 2〜4mg/kg分3 -
Class 2(β遮断作用)上室性および心室性不整脈
プロプラノロール インデラール 0.6〜3mg/kg分3 20〜100μg/kg
ビンドロール カルビスケン 0.06〜0.3mg/kg分3 2〜10μg/kg
カルテオロール ミケラン 0.2〜0.4mg/kg分2 -
Class 3(Kチャンネル抑制)上室性および心室性不整脈
アミオダロン アンカロン 4mg/kg分2 -
Class 4(Caチャンネル抑制)上室性不整脈
ベラパミル ワソラン 3〜6mg/kg分3〜4 0.05〜0.2mg/kg
ジルチアゼム ヘルベッサー 2mg/kg分2〜3        0.05〜0.1mg/kg

抗コリン         アトロピン          0.03mg/kg分3      0.01mg/kg    
ジゴキシン ジゴシン 0.0125〜0.25mg/day分1          
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