貧血治療薬

@貧血はその原因によって中心となる治療薬が違ってくるので。貧血の種類を確認してから治療薬を選択する。
貧血の分類と治療の中心となる薬剤
     分類   選択薬
赤血球 産生減少 鉄欠乏性貧血 鉄剤
悪性貧血 鉄剤、ビタミンB12、葉酸
再生不良性貧血 タンパク同化ステロイド、副腎皮質ステロイド、輸血
腎性貧血 エリスロポエチン、輸血
鉄芽球性貧血 ビタミンB6
喪失増大 溶血性貧血 副腎皮質ステロイド
出血 輸血


治療の中心となる薬剤の働き
選択薬 商品名 薬剤の働き
鉄剤 フェロミア フェロ・グラデュメット 不足した鉄分の補給
ビタミンB12 フレスミンS メチコバール 吸収されないビタミンB12の補充
葉酸 フォリアミン 不足した葉酸を補充
タンパク同化ステロイド プリモボラン アナドロール エリスロポエチンの産生を活性化する
副腎皮質ステロイド プレドニン リンデロン 免疫系の抑制と毛細血管からの出血防止
エリスロポエチン エスポー エポジン 赤血球合成に必要なエリスロポエチンの補充
ビタミンB6 アデロキシン 不足したビタミンB6を補充
副腎皮質ステロイド プレドニン リンデロン 免疫系の抑制と毛細血管からの出血防止
輸血    原則として赤血球の補充


A鉄剤は鉄欠乏性貧血の治療に用いられるもので貧血の万能薬ではない。

BビタミンB12と葉酸は悪性貧血の治療に用いられるが、一生投与しつづける必要がある。

C再生不良性貧血の治療は、薬物療法のほか、骨髄移植や輸血などがある

D腎性貧血にエリスロポエチン、後天性溶血性貧血に免疫抑制葉、鉄芽球性貧血にはビタミンB6が使われる。

初級薬理学
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