この用語を知ってます? 弐

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 バイオアベイラビリティ

 (bioavailability)
 薬物の製剤からの利用性を評価する概念。投与された薬物(製剤)がどれだけ完全に体に利用されるか?
 つまり、投与された薬物(製剤)の何パーセントが、血中に入って体に作用するかを表す指標。
 バイオアベイラビリティは、投与された製剤中の薬物が、体循環血液中に到達する割合と、その際の速度で表される。
 一般に、静脈内投与では、投与された薬物はほぼ完全に生体で利用される。つまり、バイオアベイラビリティはは100%ということになる。
 一方、 静脈内投与以外の経路(例えば、経口投与、皮膚、肛門)で投与された薬物は、静脈内投与に比べて、かなりバイオアベイラビリティが低くなる。
 理由としては、第一に、静脈内以外投与された部位からの吸収が悪いこと。
第二に、腸から血液に吸収された物質(薬物)はまず肝臓へ行くが、肝臓には薬を代謝する機能があるため、腸から吸収された薬の一部は、作用しないうちに肝臓で代謝され、別の物質に変わってしまうため。これを「初回通過効果」という。
 標的とする受容体に対する親和性が高い化合物であればあるほど、高脂溶性になることが多いという特徴がある。高脂溶性の化合物は、消化管での吸収性が悪い上、肝臓・小腸における「初回通過代謝率」が高くなるため、極端にバイオアベイラビリティの数値が低くなる。
 ADL
 (Activities of Daily Living)
 日常生活動作。食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、寝起きなど、日常の生活を送るために必要な基本動作すべてを指す。高齢者の身体活動能力や障害の程度をはかるための重要な指標となっている。
 αブロッカーを寝る前に服用

  (モーニングサージの予防)
 寝る前にαブロッカーを服用することにより、朝起床時のモーニングサージを防ぐことができる。
 ロングアクティングのαブロッカー(カルデナリン)を朝の6時、または夜の10時のいずれかに服用した。夜10時にカルデナリンを服用すると、朝のモーニングサージを下がる率が一番大きいということが判明。
 夜、血圧が下がりすぎるのではないかということが心配された。しかし、αブロッカーというのは末梢の平滑筋が緊張している時にだけ作用する。夜は血管神経のα受容体は刺激されていないので、降圧の度合いは少ない。
 起床と同時にα受容体が刺激をうけて末梢の血管が収縮する。夜10時に長時間作動型のαブロッカーを服薬するとモーニングサージを防ぐことができる。夜10に服用すると、血圧が下がる。ある程度血圧が下がると、平滑筋の緊張が下がる。
 同一薬物でも治療効果の相違?
 (ジェネリックとゾロ)
 同一の薬物を同一量含む製剤であっても製造メーカーや剤形が異なると治療効果に違いが生じる。
原因として原料、添加物、製造工程、製造方法、コーティング技術等の違いがある。吸収・作用部位での薬物の速度や量が異なってしまうため。
 溶出試験(MR)
(Medical Representative)
 数種類のpHの異なる溶液の中に薬剤をいれて、先発品と後発品の溶け方を比較する試験。
 薬の溶け方が異なれば、身体への効果の現れ方も異なってくる為、溶け方が同じであるかを調べる試験。
「同一成分、同一含量の薬でも、メーカーが異なれば、同じ効果を示すとは限らない」
 
 クリティカル パス  プロジェクトを計算された終了日に完了するために、スケジュールどおりに完了する必要のある一連のタスクのこと。
 医学現場においては、、質の高い医療を患者さんに提供することを目的として、入院から退院までの計画を立てたもの。『検査の予定や治療の内容、リハビリテーションの計画、いつ頃どの様な状態になれば退院することができるかなど』
 セカンド・オピニオン  診断や治療方針について主治医以外の医師の意見のこと。
一番のメリットは、治療法についてこれまでとは違った希望をもてるということ。
 生物学的同等性試験−壱
(Bioequivalence Study)
 既に新医薬品として承認された医薬品と生物学的に同等であることを証明する為に実施する試験。
試験の主旨に同意した健常人(20人程度)に対して先発品と後製品を常用量投与し血中濃度の推移を比較することにより、先発品との同等性を証明。
具体的にはジェネリックメーカーが個別に測定した標準製剤(先発品)のAUCと、新たに申請するジェネリックのAUCを比較して格差が無いことを示す。
同じ薬効成分を同量含む製剤であっても、製造元によって不活性成分(薬効成分以外の添加物)の種類や組成が異なったり、製剤のコーティング物質やコーティング方法が異なる為、製剤から薬効成分が溶け出す速度が一致しない場合がある。そのわずかの差によって、薬物の効き方が違ってくる。
 生物学的同等性試験−弐
(Bioequivalence Study)
 通常、健常人を対象にクロスオーバー法で行う。対象人数は10名から20名程度。血中濃度の推移(AUCや血中濃度曲線)で信頼区間の範囲内であれば良いとされる。
 薬の吸収パターンが同じであることを証明すれば、薬の効き目が同じである、治療効果の同等性が科学的に保証されるという原理(前提)がある。
 先発品では、動物実験から第T相〜V相の治験によって成分による安全性と効果を確かめられている為、後発品では、生物学的同等性試験と溶出試験のような小規模の試験で医薬品としての承認を得ることができる。
 後発品は、、先発品によって安全性及び効果が確かめられていることから、臨床試験を簡略化でき、 開発中止というリスクも無いので、開発費がかからず、安価な値段で販売できる。
 二重盲検法
 (Double Blind Method)
 プラセボによるプラシーボ効果(思い込み効果)を除去するために医者にも患者にも薬効のある「披検薬」、薬効の無い「プラセボ」であるかをわからないようにして治験を進める方法。
 「二重盲検」とは、各被験者に割り付けられた治療を、被験者及び治験実施医師だけでなく、治験依頼者、被験者の治療や臨床評価に関係する治験実施医師のスタッフも知らないことを意味する。
 ドラッグデリバリーシステム
(DDS:Drug Delivery System)
 目標とする患部(臓器や組織、細胞、病原体など)に、薬物を効果的かつ集中的に送り込む技術。
薬剤を膜などで包むことにより、途中で吸収・分解されることなく患部に到達させ、患部で薬剤を放出して治療効果を高める手法。
 DDSは、薬剤の治療効果を高めるだけでなく、副作用の軽減も期待できるというメリットがある。一般的に、薬剤は、必要な時に、必要な量を、必要な部位に、到達させるのが理想とされている。
 線形性 (Linearity)  薬物動態に関する速度(吸収速度、代謝速度など)が投与量に比例する場合に線形性があるという。
血中濃度、AUC、Cmaxなどは投与量に比例する。
 マーフィの法則
 (Murphy's Low)
 失敗すると予測したり、思ったりすると必ず失敗するという法則の名称。
 1958年版のWebster's dictionaryで最初にマーフィの法則は登場した。また、あることをするとき複数の方法があり、その中の1つが失敗する可能性がある場合、失敗する方が選ばれるという。マーフィとは1949年に米国空軍が実験していた加速度に対する人体実験に参加していたエドワードA.マーフィ・ジュニア(Edward A.Murphy.Jr.)の名前からきている。
 ある実験のとき、ジョン・ポール・スタップ(John Paul Stapp)少佐の身体に16個の加速度計センサーを取り付けて実験したところ、16個すべての加速度センサーが取り付けに失敗していたことからマーフィの法則が生まれた。
 これらはプログラマがソフトを開発するときなどに、バクがでないか心配していると、必ずバクがでるという失敗例などでよく使われる。プログラマーが、失敗は無いか?忘れものはないかと心配ばかりしていると、必ず失敗し、忘れものもでてくるので、プログラマーが不安になるようなことを絶対に言ってはいけないという教訓になっている。
 また逆に、全てがうまくいく予測をして、失敗無しで完成することを、逆マーフィの法則という。
 ホモシステイン  メチオニンというアミノ酸が体内で変化して作られるアミノ酸。 その代謝の過程でビタミンB6が不足するとホモシステインからシステインへの代謝が低下し、ホモシステインが余り、血中ホモシステイン値が上昇。また葉酸、ビタミンB12が不足してもホモシステインからメチオニンへの代謝が低下して血中ホモシステイン値が上昇します。
 最近、主に欧米の研究により、このホモシステインが体内に蓄積すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなることが分かってきた。またアルツハイマー病などの痴呆症の発症も増加することが判明した。
 DOA  date of admission:入院日   death on arrival:到着時死亡、来院時死亡 
dead on arrival :製品等の到着時不良  解釈の違いに注意。
 ALLHAT
(The Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)
 冠動脈疾患のリスクを持つ55歳以上の高血圧症4万例以上を対象に、「降圧薬の冠動脈イベント抑制効果」、「脂質低下薬の生存率改善効果」を検討する大規模試験のこと。


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