α1受容体 | 血管収縮、気管支収縮、グリコーゲン分解亢進 |
α2受容体 | ノルアドレナリン・アセチルコリン遊離の抑制 |
β1受容体 | 心拍数増加、心筋収縮力増強、脂肪分解促進、腸管弛緩 |
β2受容体 | 気管支拡張、血管拡張、子宮弛緩、糖原分解促進、インスリン分泌促進 |
0〜5 | 5〜10 | 10〜20 | 20〜25 | 25〜40 | 40〜60 | 60〜 |
非有効城 | 一部の患者および新生児無呼吸症の有効域 | 多くの患者の有効域 | 一部の患者の有効域 | 多くの患者の中毒城 | ほぼすべての患者の中毒城 | 痙攣または 死亡 |
中毒域としての消化器症状、頭痛、および心拍増加 | 期外収縮を伴わない毎分120以上の心拍増加、呼吸頻拍まれに不整脈または痙攣 | 中枢症状 不整脈、痙攣 |
ゾーン | 状態の判定 | ピークフロー値 | 変動率 |
グリーンゾーン | 望ましい範囲 | 80%以上 | 20%未満 |
イエローゾーン | 注意が必要な範囲 | 60〜80% | 20〜30% |
レッドゾーン | 警戒が必要な範囲 | 60%未満 | 30%未満 |
Step |
症状の特徴 |
PEF, FEV1.0 |
治療 |
Step 1 |
■喘鳴*、咳嗽*、呼吸困難 週1〜2回まで ■症状は間欠的で短い ■夜間症状は月1〜2回以内 |
■自己最良値/ 予測値の80%< ■変動は20%> |
●吸入/経口β2刺激薬、テオフィリン薬頓用 (抗アレルギー薬) |
Step 2 |
■週2回以上の発作 ■日常生活や睡眠が妨げられることがある。月に2回以上 ■夜間発作が月2回以上 |
■自己最良値/ 予測値の70〜80% ■変動は20〜30% |
●吸入ステロイド薬:(低用量)BDP 200〜400μg/日連用 (抗アレルギー薬) ●吸入/経口β2刺激薬連用 ●吸入β2刺激薬追加頓用(1日3〜4回まで) |
Step 3 |
■慢性的に症状がある ■β2刺激薬頓用/吸入がほとんど毎日必要 ■日常生活や睡眠が妨げられる。週に1回以上 ■夜間発作が週1回以上 |
■自己最良値/ 予測値の60〜70% ■変動は30%< |
●吸入ステロイド薬:(中用量)BDP
400〜800(1,200まで考慮)μg/日# (抗アレルギー薬) ・吸入抗コリン薬併用考慮 ●吸入β2刺激薬追加頓用(1日3〜4回まで) |
Step 4 |
■(治療下でも)しばしば増悪する ■症状が持続 ■日常生活に制限 ■しばしば夜間発作 ■(経口ステロイド薬連用) |
■自己最良値/ 予測値の60> ■変動は30%< |
●吸入ステロイド薬:(高用量)BDP
800〜1,200(1,600まで考慮)μg/日# (抗アレルギー薬) ●吸入β2刺激薬追加頓用(1日3〜4回まで) |
#吸入ステロイド使用時には原則としてスペーサーを使用する。
■いずれか1つが認められればそのステップとする。重複して認められる時はより重症のステップとする。これらの症状、呼吸機能検査は各ステップでの概要を示したもので、変動したり、また、各ステップ間のオーバーラップがあり得る。
*喘鳴、咳のみの場合は週3回まででも軽症間欠型とする。
ステップアップ:現行の治療でコントロールできないときは次のステップへ進む(PEF 60%>では
経口ステロイド薬の中・大量短期間投与後に行う)。
ステップダウン:治療の成果が得られたら、少なくとも3ヵ月の安定を確認してから治療内容を減らしてもよい。以後もコントロール維持に必要な治療は続ける。
吸入ステロイド薬 | 喘息の原因といわれている炎症を抑え、気道が狭くなるのを改善し、喘息発作を予防する吸入薬。 |
テオフイリン薬 | 気管支を拡げる物質(サイクリックAMP)を分解する酵素の作用を抑えて気管支内のサイクリックAMPの濃度を高めて気管支を拡げて呼吸を楽にする薬。 |
β2刺激薬 | 気管の平滑筋に存在する特定部位(交感神経のβ2受容体)を刺激し、気管支をとりまく筋肉の緊張をゆるめ、気管支を拡げて呼吸を楽にする薬。 |
抗アレルギー薬 | 気管支を拡げたり、気道の炎症を抑えたりして呼吸を楽にする薬。 |
吸入抗コリン薬 | 気管支を収縮させる物質(アセチルコリン)の働きを抑えることにより、気管支が収縮するのを防ぎ、気管支を拡げて呼吸を楽にする薬。 |