鼻炎(アレルギー性)
※鼻炎(アレルギー性)とは

   発作性再発性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉が3主徴。鼻粘膜のT型アレルギー性疾患。




※なぜ起こるか?

   鼻には空気と一緒にいろいろな物質が入ってくる。
ある特定の物質(抗原)が体内に入ると、それを排除しようとする防御体制ができる。

  そしてその抗原が再び入ってくると、鼻の粘膜で抗原抗体反応が起こりヒスタミンなどの物質が放出される。
これらヒスタミンなどの刺激によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー反応が引き起こされる。






※抗原による分類

 鼻アレルギーの分類
期間
原因
通年性鼻アレルギー
一年中
ダニ、ハウスダストが主
ネコ、イヌ、ハムスター、ウサギ等のペットの毛
カビのアルテルナリア、アスペルギルス、カンジダ
季節性鼻アレルギー
季節
1〜4月;スギ
4〜5月;ヒノキ
初夏;カモガヤを中心としたイネ科植物
晩秋〜秋;ブタクサやヨモギ等のキク科植物





※アレルギー性鼻炎の重症度の目安

  種類
程度 
くしゃみ
一日の回数
鼻水
鼻をかむ回数
  鼻閉
鼻詰まりの程度
最重症
21 回以上
21 回以上
一日中完全に詰まっている
重症
20〜11
20〜11
鼻閉が非常に強く、一日のうちかなりの時間が口呼吸となる
中等症
10〜 6
10〜 6
鼻閉が強く、口呼吸が一日のうち時々ある
軽症
5〜 1
5〜 1
口呼吸は全くないが、鼻閉がある
無症状
0 回
0 回
なし





※アレルギー性鼻炎の治療薬


ケミカルメディエータ遊離抑制薬
(肥満細胞安定薬)
クロモグリク酸ナトリウム(インタール),トラニラスト(リザベン),
アンレキサノクス(ソルファ),
ペミロラストカリウム(アレギサール,ペミラストン)
ケミカルメディエータ受容体
拮抗薬
ヒスタミン拮抗薬
(抗ヒスタミン薬)


世代
dーマレイン酸クロルフェニラミン(ポララミン,レクリカ),
フマル酸クレマスチン(タベジール,ヒスタベリン)など


世代
フマル酸ケトチフェン(ザジテン),塩酸アゼラスチン(アゼプチン),
オキサトミド(セルテクト),メキタジン(ゼスラン,ニポラジン),
フマル酸エメダスチン(ダレン,レミカット),
塩酸エピナスチン(アレジオン),エバスチン(エバステル),
塩酸セチリジン(ジルテック),塩酸レボカバスチン(リボスチン),
ベシル酸ベポタスチン(タリオン),
塩酸フェキソフェナジン(アレグラ),
塩酸オロパタジン(アレロック),ロラタジン(クラリチン)
トロンボキサンA2拮抗薬
(抗トロンボキサンA2薬)
ラマトロバン(バイナス)
ロイコトリエン拮抗薬
(抗ロイコトリエン薬)
プランルカスト水和物(オノン)
Th2サイトカイン阻害薬 トシル酸スプラタスト(アイピーディ)
ステロイド薬 局所用 プロピオン酸ベクロメタゾン(ベコナーゼ,アルデシン,リノコート),
フルニソリド(シナクリン),プロピオン酸フルチカゾン(フルナーゼ)
経口用 ベタメタゾン・dークロルフェニラミン合剤(セレスタミン)
その他 変調療法薬、生物製剤、漢方薬


薬物併用治療
治療薬の適応に従い、それぞれの作用点の異なる薬剤の併用は有効。
例) 1.抗ヒスタミン薬(第1世代あるいは第2世代)+ロイコトリエン拮抗薬
2.抗ヒスタミン薬+ロイコトリエン拮抗薬+局所ステロイド



軽症、中等症の場合

病型
くしゃみ・鼻水型 鼻閉型
治療 抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬、
第2世代抗ヒスタミン薬
遊離抑制薬、
第2世代抗ヒスタミン薬
局所ステロイド剤(点鼻薬)    
   抗コリン薬(点鼻薬) 血管収縮薬(点鼻薬)  

重症、最重症の場合

病型 くしゃみ・鼻水型 鼻閉型
治療 局所ステロイド剤(点鼻薬)、経口ステロイド薬
+抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬
+抗コリン薬(点鼻薬) +血管収縮薬(点鼻薬)
手術







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